伝染性単核球症(キス病)
伝染性単核球症は分かり易くキス病と呼ばれています。
この病気は昔「熱のはな」と呼ばれた皮膚病で、皮膚が赤くなりくず痒くなったりヒリヒリして、
その後で水ぶくれが出来るヘルペスウイルスの仲間です。
感染するウイルスはEBウイルスで、キスでの感染が多く見られるためアメリカなどでは
「キス病」と呼ばれています。
日本での感染は2~3歳の幼児に多く見られ、感染して治ると免疫力がつきますから、
抗体ができてそれ以降は感染しなくなります。
また、そうでない場合は思春期にかかりますが自覚症状として顕著なものがありません。
あまり気にすることもなく、そのまま放置していても数週間で治ってしまうので、
ほとんどの成人の場合はすでに抗体を持っていて、免疫力がついていると考えられます。
病気の症状
伝染性単核球症(キス病)の症状は、男性、女性ともに類似したものです。
症状は理由は分からないがとにかく体がだるいという倦怠感があり、38度以上の高熱が出ます。
のどが痛くなりますし、首のリンパ節が腫れてきます。
このような症状は風邪を引いた時の症状と似ているようです。
しかし風邪と違うのは、このほかの症状として体に湿疹が出てきたり、
肝臓や脾臓が膨れてきて肝機能に異常が起きることがあります。
この倦怠感や発熱などの症状は通常は4週間ぐらいで
自然に消えていくものなのですが、中には半年以上も
このような症状が出たり引っ込んだりして続いている場合は、
重症化の可能性がありますから、
医療機関での精密検査を受けるなどの処置が必要になります。
感染の経路
伝染性単核球症(キス病)の感染経路はEBウイルスの口からの感染で、
このEBウイルスは感染した人の唾液の中に潜んでいます。
唾液の中にいるウイルスですから当然キスをすればいたって簡単に伝染(感染)してしまいます。
また、キスをしなくてもコップやストローなのでも飲み物の回し飲みでも唾液がコップの縁や ストローに付着しますから、それによって感染してしまいます。
しかも、感染した人の全員に症状がでるのではなく、
感染者の約2割、つまり5人に1人は無症状です。
熱も無く元気な人だから安心だと回し飲みをしたりキスをしたりして
この病気を貰ってしまうこともあるでしょう。
ただし、人の唾液の中で生息するウイルスですから、
口からの感染と言っても普通の飲食物からは感染しません。
また、意外なことに輸血や骨髄移植などでも感染します。
治療・対処法
伝染性単核球症(キス病)の治療・対処法としては、全身に倦怠感を覚え、
高熱が出て首筋のリンパ節が腫れて、のどが痛いという一連の症状が出た場合、
すぐに医療機関での診察を受けることです。
この病気を自宅で調べる検査キットはありません。
また、治療の方法ですが、特に伝染性単核球症(キス病)に効果がある薬剤は
今のところ見当たらないのが実情です。
ペニシリンなどの抗生剤は使用できません。
治療の根本は体力を消耗しないで体の抵抗力を回復させるのが大切ですから、
安静にして経過を見守ることです。
しかし、安静に寝ていても一向に熱が下がらないとか倦怠感がとれないような場合には
EBウイルスに対抗する抗生物質などを使って症状の緩和を図ります。
また、幸いにも軽度の場合や安静にしていてすっかり良くなった場合、
再発を防ぐためにもその後しばらくは過激な運動は避けるべきでしょう。
検査方法
伝染性単核球症(キス病)の検査方法は、まずは肝臓や脾臓を体の上から触る触診で、
その膨れ具合を調べます。
この病気にかかっている場合は肝臓や脾臓が膨れるのです。
それから血液検査などでの肝機能の検査を行い、EBウイルス抗体検査も実施して、
これらの検査の結果を総合して感染の有無を判断します。
血液検査では主にリンパ球の数を調べますが、リンパ球が異常に増えて、
その中に異型リンパ球が現れるという特徴があります。
同時に著しい肝機能障害が起こりますから肝機能検査を行うのです。
さらに伝染性単核球症(キス病)は、往々にしてA群溶連菌感染という病気を併発しますので、
このような合併症の検査も併せて行う必要が生じてきます。
予防法
伝染性単核球症(キス病)の予防方法は、性交渉でのコンドームの使用は全く役にたちません。
また、感染源は唾液中にいるEBウイルスなのですから、
とにかく唾液の交換のようなキスは避けるべきです。
さらに幼児への食べ物や飲み物の口移しも容易に伝染(感染)の原因になります。
幼児でなくても、飲み物の回し飲みは唾液が付着しますから感染の可能性があります。
ツバを飛ばして話をする人のツバは嫌なものですが、口に入らなければ空気中で
EBウイルスは死滅しますから心配はありません。
さらに、先に述べた症状が出るのは主に幼児の時や思春期に発病しないで
そのまま成人したために免疫力がついていない人がこの病気にかかった場合です。
別の見方をすればほとんどの成人はすでに抗体を持っていると考えられますから、
その意味ではこれだという予防法は無いのが実際です。
